(無題)

今年はじめて、父に会う。

いや、一緒に住んでるんですが
どこかに飲みに行ってたらしく。


そんな父が お米を研いで
炊飯器にかけようとしてた時
炊飯器の裏蓋が はまらない と、おっしゃる。

「フタをつけろ。」
『どうぞ。つければいいじゃん。』

「なぜフタを外したんだ。」
『洗ったからです。』

「なぜ、洗ったんだ？」
『だって、フタに「毎回必ず洗ってください」って書いてあるじゃん。』

「そんなの、毎回洗う必要なんてない！」
『じゃぁ、なぜ ここに「必ず」って書いてあるの？
　この炊飯器を買った時に 洗い方と外し方と、取り付け方おしえたでしょ？』

「そんな昔の事 覚えていない！」
『覚えてないって、いつも洗ってなかったの？
　それを ぼくに食べさせていたの？』

「いちいち、洗う人なんて どこの家庭にもいない。」
「そろそろ 洗おうとは 思っていた。」
「なに？ お前は毎回洗ってたのか？ ばかじゃないのか？」

いろいろ言われたのですが
『お父さんの言ってることは
　「おぼえてない」
　「しらない」
　「フタをつけろ」
　「洗ったことは 一度もない」
　「今後も洗わない」
　と、胸を張って偉そうに おっしゃるのであれば
　ぼくは お父さんの炊いたご飯は 今後口にしたくありませんので。
　そんなにフタを付けたければ
　気持ちを改めて 人に物を頼むか
　説明書でも読んだらいかがでしょうか？』

父、炊飯器と 奮闘中。


19時。　追記。
父、諦めて 外に飲みに行く。